御射鹿池(みしゃかいけ)静寂の時

昨年、雨で断念した長野県茅野市にある「御射鹿池(みしゃかいけ)」に、この夏、行くことができました。

きっと、どこかで目にしたことがある、東山魁夷の「緑響く」の絵のモチーフとなった場所。

静けさの中に広がるエメラルドグリーン。
木々の香りが、広がる。

東山魁夷の絵画の中に迷い込んだような不思議な感覚。

水面をキラキラと反射させながら、風が通っていくのが見えた。


長野県立美術館より
https://nagano.art.museum/hkg-collection

≪緑響く≫ 1982年 / 蓼科高原・御射鹿池

一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左へと歩いて消え 去った―そんな空想が私の心のなかに浮かびました。私はその時、なんとなく第二楽章の旋律が響いているのを感じました。

おだやかで、ひかえ目がちな主題がまず、ピアノの独奏で奏でられ、深い底から立ち昇る嘆 きとも祈りとも感じられるオーケストラの調べが慰めるかのようにそれに答えます。白い馬 はピアノの旋律で、木々の繁る背景はオーケストラです。

『東山魁夷館所蔵作品集』1991年

福岡県生まれ。ヤマハ音楽教室システム講師を退職後、自宅でピアノ音楽教室をスタート。音楽経験を問わず誰でも演奏できるミュージックベルに出会い、すっかりトリコに!全日本ミュージックベル連盟認定講師になり、ベル講座を各地で(オーストラリアでも)開催する。著書に「はじめよう!ミュージックベル」「楽譜が読めなくてもミュージックベルが演奏できる本」がある。「音楽を創る面白さ」と「演奏中のフロー体験」を多くの人に伝えたい!という野望を持ちながら活動中。ひとりひとり違う音色の織りなすハーモニーと、演奏したあとの笑顔に出会う瞬間が、最高に嬉しい。

ピアノ音楽講師・ミュージックベル編曲家

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